網膜剥離体験記⑦

麻酔が効いてくると、シート状のテープの様なもので目を開けた状態で固定される。

なるほど、これで目を開けたまま手術ができるのね。
手術室の明かりがボンヤリ見えているので、明かりを見ていれば前を見ているという事か、安心安心。

何となく目に圧迫感は感じるけれど、痛みは感じないのでひたすら前を見ることに専念する。

大問題が勃発!

突然目の前が真っ暗に!

あ、明かりがなければ、ちゃんと前を向いているのかどうか分からないじゃないか!!

どうしよう、見てる?私は前を見てる?

暫くすると明かりが戻って来る。

はあ

と一息つくのも束の間、再び真っ暗に。

その後も何度か明るい、暗いを繰り返し手術は終了。

その間、何度も「私は前をちゃんと見ていますか?」と確認したくなったけれど、何も言われないという事は見ているという事なんだ、と何度も自分に言い聞かせ続けたのでした。

多分、目は固定されているから気にする必要なんてなかったんだろうけれど、気にしてしまったんですね~。
疲れた~。

お医者さんやスタッフの皆さんの方が疲れていると思うのですが、患者も思ったより疲れますね。

網膜剥離の手術が終わると、スタッフの皆さんに見送られながら車いすに乗って病室へ。

病室に戻ると、ベッドの上に胸当て用のクッションと顔用のクッションが用意してあった。

これからは顔は常に下向きになるように、と図も用いて説明を受ける。

うつぶせ寝でいるのが基本として、起きている時は常に顔を下向きにすること。寝るのが辛くなったら座って、机にタオルなどを置いてそこに額を乗せるなどなど。

う~ん、大変そうです。

そもそも、なぜ網膜剥離の手術(硝子体手術)後にうつ伏せにならなければならないのか?

それは、硝子体に入れたガスが、うつぶせ寝の状態だと網膜を圧迫して、網膜が眼底にくっつく手助けをしてくれるから。

また逆に、仰向けに寝るとガスが水晶体を圧迫してしまうため、白内障を悪化させるから。

網膜剥離の手術(硝子体手術)をした人にとってあおむけ寝は、百害あって一利なしなのです。

今後、目薬は1日に4回(朝・昼・夕・夜)、4種類、目薬の間隔は5分以上あけること、との事。
う~ん、大変だ。

丁度昼食の時間だけど、今食べられますか?もしだったら一眠りしてからでもいいですよ、と言われ、先に一眠りすることに。

体の芯が疲れている感じで、食欲よりも睡眠欲が勝ちました。

うつぶせ寝で体が痛くなったら湿布を出しますから、と看護師さんに優しく言われる。

腰が痛くなったり、首が痛くなったりする人が多いらしい。

クッションの上にうつ伏せになると、思ったより快適。

特に顔用のクッションは、フワフワしていてとても柔らかくて気持ちいい。

うつぶせ寝余裕!

と、浅はかな私はその時そう思ったのでした。

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